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痛風ってどんな病気

痛風と似た病気

鑑別診断(痛風と間違えやすいものを紹介します)

1)外反母趾

これは足の親ゆびの付け根の関節から先の骨が外側に曲がっている状態で、親ゆびの付け根が内側に突出します。この変形だけでも少し痛みますが、炎症を起こすとひどく痛むこともあります。特に、この付近の袋状の組織(滑液胞)が炎症を起こすと赤くはれ、激しく痛んで痛風発作と似た状態になります。

2)変形性関節症

加齢に伴う骨、軟骨の変性です。歩き始めなどに痛みが出ますが、足のゆびなどが冒される事は多くありません。膝や股関節はしばしばこの病気で冒され、膝ははれて痛風発作と似ている事があります。

3)蜂窩織炎(ほうかしきえん)

皮下組織に細菌が感染して、皮膚や皮下組織が腫れ上がる病気です。危険な状態なのでできるだけ早く医療機関に行く必要があります。

4)変形性腰椎症による足の痛みやしびれ

足の症状があり痛風を疑って受診する患者さんにときどき、腰椎の変形に伴う足の症状が見られます。これは、腰の骨の変形により神経が圧迫され、その神経が足の感覚を感じるため足の症状と感じられるためです。

5)偽痛風

ピロリン酸カルシウムという結晶が関節炎を起こす病気です。高齢者の膝関節や足首の関節に多くみられますが、男性も女性も同様に起こります。レントゲン写真をとると関節の中に石灰化が見られます。

6)関節リウマチ

たくさんの関節が慢性的に痛み、しだいに関節が変形して日常生活が不自由になるつらい病気です。女性に多く、痛風とは対照的です。痛風の痛みが急性的なのに比較して、痛みは慢性的であることが多いです。最近では良い薬が出て、普通と変わらない日常生活が送れるようになりました。

7)回帰性リウマチ

関節が急に腫れて痛む原因不明の病気です。男性にも女性にも起きます。痛風より症状は軽く、2、3日で治りますが、繰り返します。関節の変形はおこさず、血清尿酸値は正常の事が多いですが、たまたま血清尿酸値が高いと医師でも痛風発作と間違える事があります。

8) 溶血性連鎖球菌感染による壊死性筋膜炎

俗称「ヒト喰いバクテリア」とも呼ばれるおそろしい病気です。溶血性連鎖球菌とよばれる菌が皮膚の下の筋膜に感染し、急速に組織を破壊します。痛風発作よりも症状は激しく、関節だけではなくどこでも冒し、急速に痛み、腫れ、発赤、局所の熱が広がります。すぐに医療的処置をしないと大変な事になります。一刻を争う病気ですのですぐに救急車を呼び、大きな病院へ行ってください。

痛風と誤りやすい病気もたくさんありますので、自己判断せずにきちんと診察を受けましょう。

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