健康と病気における尿酸の意義

血清尿酸値の正常値は?

尿酸の正常値

 

健康診断、人間ドック、住民検診などの検査を受けると、検査結果の報告が来ます。痛風の原因である尿酸の血液中の濃度は、「尿酸値」や「血清尿酸値」と記入されています。男女ともにこの値が7.0mg/dLまでは基準値内です。これを超えると異常で、高尿酸血症と呼ばれます。

 

よく検査結果の報告用紙には正常値とか基準値などが書かれていて、血清尿酸値の場合、男性で3.8~7.5mg/dL、女性で2.4~5.8mg/dLと記載されていることもありますが、これは参考程度に留めておいて結構です。尿酸の基準値を7mg/d以下に置く理由は、血漿中の尿酸の溶解度を基準にしたものです。通常の条件では、血漿の中で尿酸は7mg/dLまでは溶けます。しかし、これを超えると結晶になる傾向があります。

 

尚、血清尿酸値が低い場合もあり、2mg/dL以下を低尿酸血症と呼ぶ事が一般的です。低尿酸血症は腎臓の尿酸排泄機能が亢進していることによる場合がほとんどです。このような腎性低尿酸血症の人の一部には運動後の腎障害や尿路結石が起こることがあります。多くの場合SLC22A12/URAT1というトランスポーター(膜を貫通して物質を輸送する蛋白質)の遺伝子、一部はSLC2A9/GLUT9というトランスポーターの遺伝子に変異が起きています。腎性低尿酸血症の診療のためのガイドラインが(腎性低尿酸血症診療ガイドライン)日本痛風・核酸代謝学会から出版されています(現時点では2017年出版、第一版)。血清尿酸値が2 mg/dL以下の人は一度、尿酸を専門とする医療機関の受診を勧めます。

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