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理事長通信

第5号 助成した研究の成果が集まりました

公益財団法人痛風・尿酸財団は、痛風と尿酸、およびそれに関連する疾患などの研究
助成を主目的として設立されました。したがって、1)当該分野の研究者に対する研
究助成をおこなうこと、2)当該分野の現状と進歩を臨床に還元するために一般医師
や医療関係者を対象とした研修会を開催すること、の2つが年間の2大活動です。今回
は、上記1)の研究助成について説明いたします。

当財団が対象とする領域は、「痛風と尿酸、およびそれに関連する疾患」となってお
り、一見すると医学のごく狭い領域のように思われがちですが、尿酸や、その生成系
であるプリン代謝、排泄系である腎のトランスポーターは、すべての生命維持にとっ
て基本的なメカニズムであり、医学生物学における多くの分野が該当します。具体的
には、内科学、リウマチ学、腎臓病学、循環器病学、代謝学、血液病学、内分泌学、
皮膚科学、小児科学、整形外科学、産婦人科学、薬理学などの臨床分野のみならず、
分子生物学、細胞生物学、薬理学、創薬化学、医化学、免疫学、生理学などの基礎医
学、疫学、予防医学、公衆衛生学などの社会医学に至るまで、カバーする領域が極め
て広いことは特筆するべきです。

平成29年度も43題の応募をいただきましたが、外部委員を含む選考委員会による選考
により14題の優れた研究に研究助成を行いました。その研究成果がこの度集まりまし
たので、その概要をHP上にまとめました。私の簡単なコメントも付記しております
のでご参照ください。
https://www.tufu.or.jp/medical/subsidy/
ご覧いただくとわかりますが、上記に記載したとおりに、医学生物学の広範な領域に
関する研究成果が集まりました。優れた業績も多く、評価の高い雑誌に掲載された論
文の報告もあります。つまり、当財団が限られた領域の研究支援ではなく、医学生物
学の横断的な、言い換えれば根源的かつ重要な研究に助成できていることがわかり、
公益財団法人である当財団の理事長として誇らしく思います。

以前の理事長通信にも書きましたが、痛風やプリン代謝の領域においては、日本は世
界をリードする存在です。その大きな理由は、日本痛風・尿酸核酸学会という、医学
生物学の多くの分野から構成される学術研究団体が存在して、領域の異なる研究者間
で活発に情報交換が行われてきたこと、そしてそのような活動を支援する当財団が存
在してきたことであると考えております。当財団といたしましては、今後とも、従来
のコンセプトを重視し、幅の広い医学生物学の研究を積極的に支援していくことを大
方針として考えております。関係各位のご理解とご支援を申し上げる次第です。

本年度の研究助成も10月末に応募を締め切りましたが、計45題の応募をいただきまし
た。現在、3名の外部委員を含む7名の選考委員で、応募演題の評価を行っているとこ
ろであり、本年も優れた研究に助成できると思われます。当財団が助成を行った研究
が、医学生物学の進歩に寄与し、それが人類の健康と幸福、そして未来の発展に結び
つくことを、当財団を代表して祈念いたしたいと思います。

2020年11月17日

公益財団法人 痛風・尿酸財団 理事長
医療法人財団順和会山王メディカルセンター院長
山中 寿

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