健康と病気における尿酸の意義

尿酸ってなに?

尿酸の構造式は以下の通りです。
尿酸の構造式

 

尿酸は最初は膀胱結石の中から発見された物質です。その後、尿酸は生物の情報とエネルギーと言う重要な役割を果たす物質の最終産物である事がわかりました。つまり、遺伝子を構成するDNAと情報を伝達するRNA、エネルギーを担当するATPが分解されると尿酸ができます。尿酸は人体の情報やエネルギーを受け持つ物質が分解されてできた老廃物です。

 

尿酸はほとんどの動物では分解され、体内にたまりません。ところが人間と一部の霊長類は尿酸を分解する酵素(尿酸酸化酵素)が遺伝的に欠損しており(遺伝子はあるが壊れています)、尿酸がたまる傾向があります。

 

普通の人の体内では一日約0.6gの尿酸が作られます。この尿酸の産生が多くなったり腎臓からの排泄が低下したりすると尿酸は体内に蓄積し、高尿酸血症となり痛風を起こします。一部は腸管から排泄され、腸管からの排泄が低下することによる高尿酸血症も提唱されています。逆に尿酸の産生が少なくなったり腎臓からの排泄が亢進したりすると血液中の尿酸が低くなり低尿酸血症になります。

 

尿酸そのものの生理的役割は確実なものはわかっていません。尿酸そのものが活性酸素を抑えるという良い作用を持つという意見もありますが反論もあり確定していません。

 

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