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痛風の原因と対策

尿酸値を上昇させる要因

血清尿酸値を上昇させる要因は遺伝的要因と環境要因に分けられます。最近の研究により、そのどちらの要因も詳細にわかってきました。

遺伝的要因

尿酸に関係する遺伝子は、希で影響が強い遺伝子と、頻度が高く影響が弱い遺伝子に分けられます。遺伝子の名前は大文字の英語で表わされますが、HPRT、PRPP、UMOD、SLC22A12、XDH、PNPなどは希で強い遺伝子です。強いと言う意味は、遺伝子が強い影響を与え、尿酸値を大きく動かすと言う意味です。このような遺伝子を持っている場合、遺伝病ということばが使われます。

しかし、これらの遺伝子の変異を持っている人は極めて希なので大多数の痛風や高尿酸血症には関係しません。では、大多数の痛風や高尿酸血症に遺伝子が関係しないかと言うとそうではありません。しかし大多数の痛風や高尿酸血症に関係する遺伝子は、頻度は高いが影響が弱い遺伝子です。ABCG2, CDC42BPG, GCKR, INHBC, MAP4K2, MEN1, NRXN2, PDZK1, PYGM, RASGRP2, R3HDM2, RREB1, SF1, SLC17A1, SLC17A3, SLC2A9, SLC22A11, SLC22A12, WDR1, LRP2などの遺伝子です。これらの遺伝子には腎臓の尿細管に発現し、物質輸送に関係するものが多いです(トランスポーター)。ABCG2は消化管に分布し、消化管からの尿酸の排せつに関係している可能性もあります。

環境要因

1)食生活の問題

食生活の問題食事内容は尿酸値に影響します。長期の調査によると、肉食は痛風を増やし、海産物も痛風を少し増やします。野菜は痛風を減らし、乳製品も減らすと考えられています。

しかし、あまりにも極端な食事管理では長続きしませんし、かえって他の病気を招きます。野菜の多い食事を心がける程度で結構だと思います。それより、痛風の患者さんの60%には、肥満があり、肥満度が大きいほど尿酸値は高くなります。また肥満は痛風の人に多い合併症の大敵です。食事を減らし、よく歩き、標準体重を守ることが大切です。

2)飲酒の問題

アルコール飲料を飲むと尿酸値は一時的に上がります。アルコールが体内で分解される時に尿酸が作られること、その際にできる乳酸が体内に尿酸を蓄積すること、一部のアルコール飲料には尿酸の元になるプリン体が多く含まれていることなどがその主な原因です。アルコールが代謝されるときに尿酸値が上がるので、どんな種類のお酒でも尿酸値や痛風にはよくないわけですが、尿酸の素になるプリン体を含む量は種類によってかなり違います。プリン体は、ビールに最も多く含まれ、ウイスキー、ブランデー、焼酎などの蒸留酒はあまり含まれていません。長期にわたる研究では、ビールが痛風を増やし、蒸留酒も少し増やします。これに比較してワインは少し減らすと言う結果がでています。日本では長期の調査が無いので、残念ながら日本酒についてはわかりませんが、焼酎はおそらく蒸留酒と考えてよいでしょう。低プリンビールなどはプリン体が少ないのでビールより痛風に悪くないと考えられますが、長期的な影響は研究されていません。ただ、ビールが大好きな人が完全にビールをやめるのも難しいと思われるので、これまで述べた知識を頭に入れて、柔軟に対処すれば良いと思います。

3)ストレスや、行動パターン

ストレスは尿酸値を上昇させるようです。運動もやり方次第では尿酸値を上げ、特に激しい運動は尿酸値を一時的に上昇させます。発汗や下痢で脱水状態になったときも血清尿酸値は上昇します。ストレスはうまく発散させるようにしましょう。

4)他の病気の影響

腎機能が低下したり、血液の病気があったりすると尿酸値が上がることがあります。悪性腫瘍が原因で高尿酸血症になることもありますので注意が必要です。

5)薬剤の影響

薬剤の影響挿絵薬剤の中には、尿酸値を上昇させるものがあります。

  • サイアザイド系降圧利尿薬(フルイトランなど)
  • ループ利尿薬(ラシックスなど)
  • 喘息の治療薬のテオフィリン(テオドールなど)
  • 結核治療薬のピラジナマイド(ピラジナミドなど)
  • 少量のアスピリン(小児用バファリンなど)

その他、薬剤ではありませんが健康食品といわれるものの中に、核酸成分を大量に含むものを毎日食べ続けて尿酸値が高くなることがあります。

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