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2015年06月22日

第100号 努力をすれば必ず

歌手の西川貴教さんが、AKB48の高橋さんが以前AKB総選挙で発した言葉「努力は必ず報われる」という言葉を引用し「努力をすればなんでも報われるってわけじゃないことはみんな分かっている」としたうえで「努力は宝くじを買うための行為に近い、買わないと始まらない」と、成功するのは運だが、運を掴むための努力は必要だと説いたという記事を見ました。私はこれと似たようなことをずっと考えていて、生きがいを考える上で重要な問題だと考えコメントしたいと思います。

以前、我々日本人の多くは「努力をすれば必ず報われる」と信じていました。そして、そう信じることができる状況が準備されていました。経済は右肩上がりで、明日は必ず今日より良くなる事を素直に信じることができたのです。しかし、今ではそう信じることができない状況になっています。経済の右肩上がりが終息し、努力した本当の結果が皆にわかるようになって来たのです。確かに、成功した人は努力をした人が多いでしょう。しかし、努力をした人の多くは報われてはいないということもわかるようになっています。西川さんのように「努力をすればなんでも報われるってわけじゃないことはみんな分かっている」と発言するのは当然でしょう。「努力をすれば必ず報われる」という事が本当ではないと認めざるを得なくなりました。何とも生きがいを見つけにくい時代になったものです。

しかし、宝くじを例に出すのは必ずしも賛成しません。確かに宝くじを買わないと賞金を獲得する事はできませんが、宝くじを買った多くの人は損をするのです。日本社会が成功は単に「運」だ、と考える事には賛成出来ないのです。

私は、努力をすると必ず叶うものが有ると思います。それは「成功する確率が上がる」ということです。つまり、「努力をすれば報われる確率が必ず上がる」ということは今でも真実なのです。そのためには、「確率」という概念を、実感と納得を伴って、よく理解する必要があります。宝くじを買うことは勧めません。なぜなら、「宝くじを買うと損する確率が必ず上がる」からです。

実は昔から努力しても報われない人々は大勢居たと思います。しかし、情報が十分伝わっていなかったのと、経済が右肩上がりを続けていたのでそれが目立たなかったのです。これから、我々日本人が努力を続けるためには「確率」の概念を理解し、「努力をすれば報われる確率が必ず上がる」という正しい確信を持つ必要があると思います。このように「確率」の概念を理解することは、これからの日本人の生きがいにも関係すると私は考えています。

「確率」の概念を理解することは他にも応用可能です。例えば、若者の選挙の投票率が低い原因として、「自分一人が投票してもしなくても、結果に影響しない」と考えているから、とも言われます。確かに投票しても自分の支持する候補が確実に当選するとは言えません。しかし、ここでも「確率」という概念が有効です。投票すれば支持する候補が当選する「確率」が必ず上がる、という考えが若者の低投票率を回復する手段になるのではないでしょうか。


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